東洋医学の勉強

経絡の構成と十二経脈、奇経八脈について。また奇経治療。

鍼灸専門学校入学前だが少しでも暗記や理解ができるところはしていきたいと考えています。

経絡の構成

経絡は、経脈と絡脈に分かれていて、この2つをあわせて経絡といいます。

経脈は「十二経脈」、「奇経八脈」、「十二経別」に分けられ、
絡脈は「十五別絡」、「絡脈」、「孫脈」に分けられる。

また、経絡と関係している関連器官がある。
関連器官は、十二臓腑、十二経筋、十二皮部がある。

経脈

・十二経脈は、手足に三陰三陽の脈があり臓腑と連属している。
・奇経八脈は、正経(十二経脈)のような法則性がない脈で表裏の関係はない。
・十二経別は、正経の一部位より分かれて走行する脈。

絡脈

・十五別絡は、正経及び任脈、督脈、脾(十五)から分かれて走行する絡脈。
・絡脈は、経脈より枝分かれしている脈。
・孫脈は、絡脈よりさらに分かれている脈。

関連器官

・十二臓腑は体内にあり特定の経脈と連続している。
・十二経筋は十二経脈の走行上にある筋群。
・十二皮部は十二経脈の走行上にある皮膚。

 

西洋医学では、神経や筋肉、皮膚、臓器、血管などで説明がつくが、
東洋医学ではこのように経絡で考えていくため見慣れない漢字や言葉になり、非常にわかりにくいのもになり、そしてその病態に応じて診断をするところでもあり、治療も施すところでもあります。

鍼灸は経絡治療をしなくても現代的に考え西洋医学からの視点から治療をしている人もいます。
自分がどうなりたいかは、人それぞれのため、自分の目指したい方向性があれば、それに特化できる鍼灸師がいいのではないでしょうか。

十二経脈について

まずは十二経脈の走行で流れがわからないと話にならないため早めに覚えました。

十二経脈は三陰三陽(太陰・少陰・厥陰・陽明・太陽・少陽)で表裏関係(太陰と陽明・少陰と太陽・厥陰と少陽)のある臓腑と連絡をする。

十二経脈の走行は、十二経脈を気血で巡る順番があり、中焦に始まり手の太陰肺経から足の厥陰肝経を巡って再び中焦に戻り手の太陰肺経へという循環を巡る。

中焦から始まり
手の太陰肺経(中府)→(少商)
手示指端
手の陽明太陽経(商陽)→(迎香)
鼻翼
足の陽明胃経(承泣)→(厲兌)
足第一指内側端
足の太陰脾経(隠白)→(大包)
心中
手の少陰心経(極泉)→(少衝)
少指端
手の太陽小腸経(少沢)→(聴宮)
内眼角
足の太陽膀胱経(晴明)→(至陰)
足第5指端
足の少陰腎経(湧泉)→(兪府)
胸中
手の厥陰心包経(天地)→(中衝)
手薬指端
手の少陽三焦経(関衝)→(糸竹空)
外眼角
足の少陽胆経(瞳子髎)→(足竅陰)
足第1指外側端
足の厥陰肝経(大敦)→(期門)

中焦→手の太陰肺経に行く。

経脈の走行上にツボといわれる経穴があります。
経穴を先に覚えておくのもいいのかもしれません。

上記と同じだがシンプルにした。

手の太陰肺経、手の陽明太陽経
足の太陰脾経、足の陽明胃経

手の少陰心経、手の太陽小腸経
足の少陰腎経、足の太陽膀胱経

手の厥陰心包経、手の少陽三焦経
足の厥陰肝経、足の少陽胆経 

奇経八脈について

8脈と書いてある通り8個の脈がある。
奇経八脈は、督脈、任脈、衝脈、帯脈、陰蹻脈、陽蹻脈、陰維脈、陽維脈の総称。

そして、人の気血は常に十二経脈を行くが、気血が満ち溢れると奇経に流れてくる。
簡単に考えると、12の流れる川が何かが起こり、溢れると奇経に引き流れる。

つまり、十二経脈の気血を奇経八脈が調整をしていること。
人生で見た時もない漢字ばかりのため難しく感じるが簡単に考えていくことも必要なのかと思う。

奇経八脈の経路は十二経脈と関係してくるため、少し複雑になり理解が難しく感じます。

督脈と任脈の経穴はここでは省略しております。

督脈

簡単に解すると下極(会陰)から起こり、上行して陽脈の海に属し口唇(齦交)に入る。
また、手足の三陽と交流していることから陽脈の海といわれています。

・人体の陽で、背中の後正中線の経絡で会陰から起こり、長強を経て齦交の上唇部に終わる。
・督脈は陽経の気血を調節。
・陽脈の海と言われている。
・宗穴は後谿(手の太陽小腸経)

督脈は本経が脳に出入りし、長強で腎と連絡していますので生殖器や腎などにも連係する。

任脈

任脈は中極の下(胞中)から起こり、下って会陰に出、そこから上行し陰脈の海に属し、口唇の周囲をめぐり、目(内眼)に入る。
また、手足の三陰と交流していることから陰脈の海といわれている。

・人体の陰で、前正中線の経絡で胞中から起こり、会陰を経て承奬そして最後内眼に入る。
・陰経の調節。
・陰脈の海と言われている。
・宗穴は列欠

喉や胸の病症を関係してくる。
胞中とのことで女性の妊娠と関係がある。

衝脈

衝脈は任脈とともに、胞中から起こり、下って会陰に出、背中内を上行し経絡の海と属する。
浅い表面にいくのは、気衝に起こって足の少陰腎経と上行し胸中に入ったり咽喉にいき口唇も絡む。

十二経脈の気血を調節。
・十二経脈の調整のため、経脈の海、経絡の海、血海と言われている。
・衝脈は胞中から起こるので女性の月経と関係がある。
(胞中、女子胞は子宮)
・横骨、大赫、気穴、四満、中注、肓兪、商曲、石関、陰都、腹通谷、幽門。
・気衝。
・宗穴は公孫

任脈、衝脈とも胞中から起こっているため女性の月経や妊娠に関係がでてくる。

帯脈

帯脈は章門から起こり、身を回ること一周する。

・身を回ること一周(お腹周り)。
・章門、帯脈、五枢、維道。
・宗穴は足臨泣

足の少陽胆経の部位の病症を治す。
また、婦人科疾患など。

陰蹻脈

照海から内側を上行し腹部、胸部を介し内眼角に行く。

・足の少陰腎経の別脈と言われています。
・然谷、照海、交信、晴明
・宗穴は照海。
・郄穴は交信。

陰蹻脈や陽蹻脈は共同して目を潤沢し目の開閉や下肢の運動機能に関係してくる。
陰蹻脈が病むと陰気が盛んになり陽気不足し、下肢内廉の緊張、外廉の弛緩になる。

陽蹻脈

申脈から下肢の外側を上行し腹部、胸部の外側を沿い、肩経由で風池にいく。

・足の太陽膀胱経の別脈と言われている。
・申脈、僕参、跗陽、居髎、臑兪、巨骨、肩髃、地倉、巨髎、承泣、晴明、風池。
・宗穴は申脈。
・郄穴は跗陽。

陽蹻脈が病むと陽気が盛んになり陰気不足し、下肢内廉の弛緩、外廉の緊張になる。

陰維脈

下腿の内側(築賓)から上行し、腹部、胸部を介し前頚部を通り任脈と出会う。

・諸陰経の間を運行し連係。
・築賓、衝門、府舎、大横、腹哀、期門、天突、廉泉。
・宗穴は内関。
・郄穴は築賓。

維とは「つなぐ」とうい意味があり、全身の陰経脈と連絡する。

陽維脈

外果(金門)から上行し体幹部後ろ外側を沿って、腋窩から肩に上り、頚部や頭側部を介し督脈と出会う。

・諸陽経の間を運行し連係。
・金門、陽交、臑兪、天髎、肩井、本神、陽白、頭臨泣、目窓、正営、承霊、脳空、風池、風府、瘂門。
・宗穴は外関。
・郄穴は陽交。

全身の陽経脈と連絡する。

奇経八脈は、十二経脈が何かしらのことが起こり、気血が満ち溢れ奇経に流れてくるため十二経脈からどのように奇経八脈と走行をしているのか。
今回は、その十二経脈と奇経八脈の気血がどのように流れるかを簡潔にまとめました。

また、十二経脈と奇経八脈のかかわり方は、たぶん、学校の教科書だけでは足りない印象があります。そのため奇経八脈の専門の本を購入し勉強した方が理解しやすりと思います。

奇経八脈の経路を覚える前に、まずは十二経脈の経穴と督脈、任脈の経穴を覚えてたほうがいいかもしれません。

宗穴について

奇経八脈の脈気と相通じていて、八つの重要穴を八脈交会穴といい経穴を用いる治療を奇経治療ともいう。

八脈交会穴は八宗穴または八総穴ともいわれている。

奇経治療による八総穴の組み合わせ

(衝脈)公孫⇔内関(陰維脈)

(帯脈)足臨泣⇔外関(陽維脈)

(督脈)後渓⇔申脈(陽蹻脈)

(任脈)列欠⇔照海(陰蹻脈)

公孫、足の太陰脾経
内関、手の厥陰心包経
足臨泣、足の少陽胆経
外関、手の少陽三焦経
後渓、手の太陽小腸経
申脈、足の太陽膀胱経
列欠、手の太陰肺経
照海、足の少陰腎経

十二経脈だけでも治療はできるが八脈交会穴も同様に痛みや症状に対して治療ができます。
そのため、奇経治療を理解できれば幅広く対応ができるのではないでしょうか。

また、たった8つの経穴だが十二経脈とかかわりがあるため、専門の本を読むと奇経治療だけでもとても奥深いです。